子どもの歯が生えてこないのは歯が少ない?先天性欠損歯とは。
小児歯科ブログ
プルチーノデンタルクリニックです。
歯医者でこんなことを言われた経験はありませんか。
「お子さんは歯が一本少ないですね」と。
歯が足りないと言われるときちんと噛めるようになるのか、歯が少ないために歯並びが悪くなってしまうのではないかと多くの心配事が出てくると思います。しかし、こういった現象は珍しいことではなく約10人に1人の確率で起こると言われています。これを先天性欠損歯と呼びます。現在は遺伝子の異常により本来、歯が作られる過程で歯が作られなかったことが原因で起こるということが徐々に解明されつつあります。
先天性欠損歯はいつ発見されることが多いのでしょうか。それは歯科検診です。毎日、仕上げ磨きをしている親御さんでも歯科医からの指摘を受けるまでは全く気付かなかったと言われることが多いです。そもそも、歯は勝手に生えてくるもので、毎日の歯磨きだけで大丈夫と思われている方も少なくなく、ここにも定期検診を普及させる重要性を改めて感じます。子どもの定期検診は「むし歯のある、なし」だけを見ているのではなくお口の総合的な発育状態を確認し将来の成長の予測をしているのです。
歯が生えてくるタイミングは個人差がありますが生えてくる時期に明らかな左右差がある場合は注意が必要です。上の歯の右は生えたのに左は1年たっても出てこない、なんて場合はすぐに歯科を受診しましょう。先ほど述べた先天性欠損歯の可能性の他に、余分な歯が作られその歯が邪魔をしてしまっていることや歯は作られているのに進む方向を間違えて生えるべき場所を見失っている場合も考えられます。その迷子になった歯が他の歯にぶつかり悪影響を及ぼすことなど誰も望んではいません。
先天性欠損歯は乳歯より永久歯に起こることが多くほとんどの場合、
- 乳歯で生えてこない歯があり、その後に生えてくるはずの永久歯も生えてこない
- 乳歯は生えたのだがそれに生えかわる永久歯が作られていない
のどちらかだと思います。このどちらにも言えるのは治療を必要とするケースとそうでないケース両方がありえるということです。治療が必要な場合は矯正治療、歯を削って被せ物をする、インプラント等様々なケースが考えられます。ただし顎の成長の最中にインプラントをすることはありません。成長のピークの終焉を待ってからインプラントの施術は行います。逆に今は何もしなくてもいいでしょうと説明されたとしても骨格の成長、周りの歯が生えてくることや虫歯の発症など、絶えずお口の環境は変化していきますので一回の診察のみで終わらせるのではなく子どもの成長状態をきちんと継続して診てくれる専門医と一緒に確認していくことが重要です。