水分補給とスポーツドリンクの活用法
予防歯科・スポーツ歯科ブログ
プルチーノデンタルクリニックです。
最近、真夏日も多く暑さに苦労されている方も多いでしょう。そんな時に大事な水分補給のお話です。
水分補給にスポーツドリンクを選ばれる方も多くいるようです。なぜならスポーツドリンクは体内から失われた水分の他にミネラルやエネルギーを効率よく補給できるからです。実際スポーツ時にアスリートにとって高いパフォーマンスを発揮するため必要不可欠なアイテムです。
スポーツドリンクは歯には天敵
そんなスポーツドリンクも歯からすると実はやっかいな存在なのです。仮にスポーツドリンクのプールに歯が泳いでいたとします。そうすると歯は5~10分程度で表面にぼこぼこと模様が浮き出てどんどん溶けていき、最後は少し触っただけでもボロボロと形が崩れるくらいのスカスカな状態になってしまいます。その理由はスポーツドリンクのpH値が関係しています。市販のスポーツドリンクはpH3.5前後のものが多く、これは歯が溶け始めるpH5.5よりも強い酸性を示しています。特に乳歯や成熟前の幼若永久歯は大人の歯に比べるとより簡単に溶けてしまいます。また、人に栄養補給をもたらしてくれるスポーツドリンクは口の中の細菌たちにも糖分の補給をしてしまい虫歯のリスクもあげてしまうのです。
おやすみの前は特に
ではスポーツドリンクは飲まない方がいいのかというとそうではありません。冒頭にも紹介したようにスポーツ時やその後の栄養補給、脱水症状時には水道水より効率よくミネラルと水分を補給できます。効果とデメリットを知った上で活用すればいいのです。大量の汗をかいてミネラルが失われるような場合のみに飲むようにして常に飲むものとしては水や麦茶を選択するのが良いでしょう。特に就寝前のスポーツドリンクはやめましょう。運動中も汗をかくことにより体内の水分量が減り唾液の分泌も少なくなるので飲み物の影響を受けやすい状況です。口の中に長時間スポーツドリンクが残らないように最後に水を一口飲んだり、ゆすいだりするのがよいでしょう。スポーツ用マウスピースをしたままのスポーツドリンクを飲むのは避けた方が良いです。もしも歯とマウスピースの隙間に飲料水が入ったまま過ごすとそれはまさに歯をスポーツドリンクの海へ泳がせているのと同じことですから。
何度も言いますがスポーツドリンクを否定をしているわけではありません。しかし熱中症には「スポーツドリンクが有効」といったキーワードだけが独り歩きしてることも見かけます。その有効性と為害性を正しく知り熱中症対策をしましょう。