気づいたらいつも・・・。子どものお口、開けっ放しになってませんか?
ふと気づくと、お子さんの口が開いている。
ぽかんと開いていて、「お口閉じてね」と声をかけると閉じるけど、また気づくと開いている。
テレビを見ている時やお友達と遊んでいる時にも、気づくといつも開いている。
こんなことないでしょうか?
実は、お口は閉じているほうが、全身の健康にも歯並びにもいいのです。
お口が空いてしまう原因、お口を閉じるとどんな良いことがあるのかを解説していきたいと思います。
まず確認しなければいけないのは、お鼻が詰まっていないかどうか。
アレルギー性鼻炎や扁桃腺肥大などで
「呼吸がしにくい」
という状態になっているお子さんもいらっしゃいます。
その場合には、お口を閉じて、というのは苦しくてかわいそうです。
もしも鼻が詰まっている場合にはまず耳鼻咽喉科の受診をしましょう。
お鼻が詰まっていないのに、お口が開いてしまうのは、
■唇などの筋力不足
■舌によって歯を押し出す癖があり、歯並びが前に出てしまっている
ことなどが考えられます。
唇を閉じるためには、実はいろいろなお口の周りの筋肉が関係しています。
中学生くらいになると口の周りの筋肉も成長するため、お口を閉じるようになるお子さんが多いのですが、それまでに受けた悪影響はそのまま残るため、できれば、成長期に入る前に直しておきたいのです。
お口を開けていることによる悪影響は何なのでしょうか。
このようなことが考えられます。
■口が渇き、唾液の機能が十分に働かない
■唾液が少なくなるので、むし歯が増える
■唾液が少なくなるので、歯肉炎になりやすい
■唇の力が加わらないため出っ歯になりやすい
■口を開いていると舌が下がって前に出やすいため、受け口になったり前歯の間があく(開咬)
■歯並びが悪くなることで活舌が悪くなり、発音に影響する
歯は、生えている場所で止まっているように見えますが、実は舌や口の周りの筋肉、周りの歯との力によってその場所が決まっています。
そのため、お口をぽかんと開けたままになっていると、歯並びや発音にまで影響が及んでしまうのです。
上記のような影響以外にも
■口を開けていると細菌が口から入りやすいので風を引きやすい。
■口が乾燥して炎症を起こしやすいので、アレルギー性鼻炎の原因となることもある。
■就寝中にお口が開いていると、顎が下がり、舌が沈下するため、睡眠時無呼吸症候群との関連も。
このような全身疾患への影響も指摘されている口呼吸。
お口が開いていることに気づいたら、どうしたらいいのでしょうか。
まずは、最初の耳鼻咽喉科的な疾患がないかどうかを確認しましょう。
それがない、もしくは治療が終わったら、お口の周りの筋力アップトレーニングが有効です。
歯科のトレーニング器具や、ボタンに紐をつけたものを唇の内側に挟み引っ張るという訓練を毎日数回ずつ繰り返します。
当院では、定期的に筋力の測定を行ったり、トレーニングの姿勢の指導などを行い、お口が開いてしまうお子さんの治療も行っています。
これは一朝一夕では効果が表れにくい治療でご自宅でやっているだけではなかなか継続が難しいと思いますが、専門家が介在することで、成果についても実感して頂きながら前向きな気持ちで取り組んでいけるようにサポートをすることが可能です。
気づいたときに「お口閉じようね」と継続した声掛けをしていくこともとても大切です。
お口がなかなか閉じない、どうしても気づくと開いている、そんな時にはぜひ歯医者さんに相談してみて下さいね。
当院でも、お子様の習癖や歯並びについてご相談頂けます。
ご心配なことはいつでもご相談下さい。