離乳食開始とその後の支援のポイント
小児歯科ブログ
プルチーノデンタルクリニックです。
赤ちゃんのための離乳食は私たちが普段している食事とは違って作り方もどうしたらいいか分からなくて困ってしまうこともあるでしょう。今回はそんな離乳食についてです。
離乳食は哺乳から離乳を経て私たちと同じ固形食を摂取するのに必要な赤ちゃんが「食べる」を練習するためのものです。一口に「離乳食」といっても生後何か月かによってメニューの内容や調理方法が様々です。どのタイミングですりつぶしたものからみじん切りに替えればいいのか分からないままでいると子どもの成長発達に影響が出てしまいかねません。乳歯の生えそろうころまでの離乳食の進め方の目安をポイントをまとめてみました。
5~7か月ごろ 離乳食の開始時期
哺乳のしぐさは生後4~5か月ころから少しずつ減っていきます。それまでは反射といって意識せずとも授乳が可能なしぐさをします。その一つに舌突出反射というものがありますがこれは乳首のような突起物以外の固形物を口の中に入れると舌で押し出そうとして口の中から出そうとする反射です。この反射がなくなってきたころが離乳食の開始の頃合いだと思ってください。赤ちゃんの姿勢を少し後ろに傾けて、なめらかにすりつぶしたポタージュをスプーンの先につけてお口に運びます。それに慣れてきたタイミングですりつぶす状態を少し粗めにしていきましょう。
7、8か月ごろ 離乳中期
このころになると乳歯が生え始めます。平らなスプーンを下唇にのせて上唇を閉じて食べ物を口へと取り込んでくれるのを待ちましょう。目標は口の前方で食べ物を取り込み、舌を上あごに押し付けつぶしていく動きを覚えていくことです。そのため舌でつぶせるような固さ(力をいれなくても指で簡単につぶせる豆腐くらいが目安)のものがいいでしょう。つぶした食べ物をひとつのかたまりにする動きもしはじめますので初めは飲み込みやすいよう少量でとろみがあった方がベストです。
9~11か月ごろ 離乳後期
前歯が上下で8本生えそろってきます。前歯が生えてくるにしたがって食べ物をかじる動きと一口での量を学習していくころです。これまでは平らなスプーンを使用してきましたがこのころにはくぼみのあるスプーンに替えましょう。前歯でかじることと歯ぐきで押しつぶしてほしいのですりつぶしていた食べ物はほぐしたり刻んだりしてみましょう。歯ぐきで押しつぶせる固さとは指でつぶせるバナナくらいだと思ってください。
12~18か月ごろ 離乳完了期
奥歯が生え始め食べ物をすりつぶしていくことが可能になりますがまだ噛む力はそれほど発達していませんので食べ物の固さはスプーンで切れる肉団子程度がいいです。手づかみ食べが盛んな時期でどんどん上手に食べ物を口に運んでいきます。ただしまだ口へ詰め込みすぎたりしますので気をつけてください。詰め込んだり食べこぼしながら一口量を覚えていきます。このころから少しづつスプーンなど使い始めましょう。
24~30か月ごろ 幼児食への移行
乳歯の奥歯も生えそろい始めます。食材のサイズも2~3㎝でも問題なく食事ができます。固さもフォークで切れる肉団子から徐々に食べさせましょう。
いかがだったでしょうか。食事は栄養を補給するのと同時にお口の機能をうまく使えるようになるための練習でもあります。パパ、ママからすれば子どもの成長を感じるひと時にもなるはずです。ぜひ家族みなさんで楽しい食事をとってください。
当院の話になりますがひよこクラブ9月号の「赤ちゃんのかかりつけドクターを見つけよう!」という企画にて紹介していただきました。離乳食に関してレシピをはじめ、様々な情報が掲載されていますので是非読んでみて下さい。